地上・海底連続電気探査


キーワード:海底電気探査,高密度電気探査,蓮沼方式,沿岸域
 

近年,塩淡水境界(塩淡境界,淡塩境界)の問題など,沿岸域の地質構造や水理構造を詳細に把握するというニーズが高まっています。従来,ケーブルを曳航しながら電気探査や弾性派探査を行う手法は行われていますが,この方法では水深数mの浅海の調査は不可能です。
当社では独立行政法人産業総合技術研究所様発注の業務において,敷設式によって陸上から浅海底まで連続した測線を設け,高密度電気探査を実施し,その手法を確立いたしました。

"蓮沼方式"海底測線の敷設方法
沿岸域の海底にはバー(砂州)やトラフ(深み)が発達し,海底地形は刻々と変化しています。また,沿岸流があり,砕波帯(海岸に沿って波頭が砕けるところ)もあります。このような場所では船の速度や方向・姿勢を保つことが困難で,曳航式の物理探査は不可能です。
敷設式海底電気探査では安全かつ確実に海底測線のケーブルを敷設することが最大の課題です。海底測線には比抵抗トモグラフィ用の多芯ケーブル(電極間隔20m,電極数30。(有)アスクシステム製)を使用し,小型船舶を使用して敷設作業を行いました。





こうして海底測線を敷設して,陸上測線は通常の高密度電気探査と同様に敷設してしまえば,あとは"普通の"電気探査です。観測装置は陸上に置くため,通常の高密度電気探査と同様に遠電極を設けた2極法電極配置を用いることができます。

測定結果
測定には当社が開発した高密度電気探査装置を使用しました。
海底測線では海水の影響によって電位が非常に小さくなりますが,電極間隔100〜140mまでは信頼し得る電位データを取得することができました。当社ではデータ取得時に送信・受信の波形を監視し,電位の距離減衰を確認することによってデータの品質管理を行なっています。
2次元解析によって深度40m程度までの比抵抗構造を求めました。下の図は上から地形断面(縦方向5倍強調),見掛比抵抗擬似断面,2次元解析比抵抗構造(縦方向5倍強調)です。
青系統で表わしているところは比抵抗が低い(電気が流れやすい)ところ,赤系統で表わしているところは比抵抗が高いところです。陸側の地下に塩分濃度が高く電気伝導度が高い地下水が存在することが推定されます。





今回の調査では電極間隔が20mでしたが,これを細かくすれば容易に分解能を上げることができます。また,ケーブルの総延長を長くすれば,調査範囲を拡大することも容易です。今後,"蓮沼方式"の敷設式海底電気探査によって沿岸域の地質構造や水理構造がより詳細に解明されることが期待されます。
 

*日本地球惑星科学連合2007年大会において発表

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